がん早期発見について

 

 

 

 

がんの早期発見について

 

 

序説;がんの予防知識

日本では、1981年にがんが死亡原因の第1位となってから、現在もその位置は変わりません。

現在、日本人の2人に1人が、がんにかかり、3人に1人が、がんで亡くなっています。

がんによる死亡は右肩上がりに増加しています。

 

また、がんの死亡率を年齢別にみると、年をとるに従って、増加していきます

 

また、男性は女性の約1.5倍がんによる死亡者数が多いのです。これは、飲酒や喫煙などが関連している

と思われます。

 

2007年はがんで死亡した人の数は約33万6千人です。

次にその内訳を見てみましょう

 

 

男性: 202,743人

女性: 133,725人

47,685人

大腸(結腸・直腸)

25,171人

33,143人

17,923人

大腸(結腸・直腸)

23,010人

17,454人

肝臓

22,300人

膵臓

11,605人

膵臓

13,029人

乳房

11,323人

部位別がん死亡数(2007年)

 

上の表のように、男性は肺がん、胃がん、大腸がんの順です。女性は大腸がん、肺がん、胃がんの順です。

男性では、肺がん、大腸がん、肝臓がんの割合が増加し、胃がんの割合が減少しています。

女性では、肺がん、大腸がん、乳がんの割合が増加し、胃がんの割合が減少しています。

 

下の図は2003年の部位別がん罹患数です。

つまり、新たに診断(発見)された患者さんの数です。死亡者数とは違います。たとえば、乳がんは罹患数は多いが、死亡者数は

それに較べて少ないのです。

つまり、発症する患者さんは多いが、死亡する患者さんは少なく、助かりやすいがんであるということが言えます。

(罹患者数は1位ですが、死亡者数は5位です。)それに較べて、肺がんは罹患者数と死亡者数があまり変わらず、難治性のがんと

いうことが言えます。本サイトは、多くの人が罹かかるがん(罹患率の高いがん)を中心に説明したいと思います。

 

男性: 372,374人

女性: 269,220人

73,798人

乳房

45,716人

大腸(結腸・直腸)

57,610人

大腸(結腸・直腸)

42,160人

55,928人

36,525人

前立腺

40,062人

22,817人

肝臓

29,126人

子宮頚部

15,629人

(全がんの69%)
(全がんの60%)

部位別罹患数(2003年)

 

ところで、一般的な検診は、がん死亡率の減少を目的として導入されています。下の表は、市町村などの住民検診に

代表される「対策型検診」として行うべき有力ながん検診についての説明です。

項目

胃がん

検診

大腸がん

検診

肺がん

検診

乳がん

検診

子宮頸がん

検診

方法

胃X線

便潜血

胸部X線

(高危険群

喀痰細胞

診追加)

マンモグラフィと視触診

細胞診

対象年齢

40歳以上

40歳以上

40歳以上

40歳以上

20歳以上

検診間隔

毎年

毎年

毎年

2年に1回

2年に1回

受診率

11.8%

18.8%

21.6%

14.2%

18.8%

がん発見率

0.15%

0.17%

0.10%

0.27%

0.05%

要精検率

10.0%

7.3%

3.3%

8.6%

1.1%

精検受診率

75.2%

55.0%

72.0%

79.6%

60.3%

本サイトは、死亡率減少のみでなく、早期発見を目的として説明しています。その為に推奨する検査内容が若干食い違っているので

注意してください。

 

最後に、がんの予防について説明しましょう。

 

日本の男性のがんの約30%、女性のがんの約4%が喫煙と関係しているとの事です。

禁煙は、がんの予防の為に、もっとも大切と思われます。また、成人期の食生活や肥満の改善により、がん死亡の約30%が予防可能で

あるとの報告もあります。

確かに、わが国でも近年、大腸がん、乳がん、前立腺がんが増加し、それは、欧米化した食事による影響も大きいと思われます。

肉類やアルコールを減らし、野菜や果物を多めに摂取することが大切です。また、できるだけ肥満の改善を心がけましょう。

以上のことは、動脈硬化予防に通じるところがあります。

感染症のコントロールも大切です。

日本では、感染に起因するがんは約20%と先進国の中では高いとのことです。

たとえば、胃がんとピロリ菌感染症の関係は重要です。ピロリ菌除菌によって胃がん発生の率を減らすという報告があります。

肝臓がんはB型肝炎ウィルスとC型肝炎ウィルス感染と関連するものが90%です。

ウィルスのコントロール、駆除と肝臓がんの早期発見が大切です。

子宮頸がんとヒトパピローマウィルスの関連も

濃厚です。最近はワクチンも開発され、理論的には、子宮頸がんの60%-70%を予防することができるようです。

 

 

 

 


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